じいちゃんとワンコと…日々の生活

子供達が独立して、ワンコとの気楽な生活になるはずだった。母が亡くなって、末っ子なのにじいちゃんをひきとることになり、まだまだ忙しい日々が続きます。

残念なオンナたち3⃣

他にもいっぱいあるが、今回は第3話まで。


第3話の主人公は40代初め、結婚願望がないわけでもないのにずっとシングルのめっちゃ面倒見がいいE子さん。

E子さんはOLではない。

したこともない。

付き合ってきた男の人の経済事情に合わせて、販売系の仕事からニッカポッカを履く男の人みたいな仕事までいろいろ経験してきた。

今は早朝のファミレスの掃除に始まりパチンコ屋さんの掃除、昼間は休憩して、夜は居酒屋さんでバイトをしている。

働き者だ。

働き者ゆえ、男の人にいいように使われてきたとも言える…傍目から見たら。。。

居酒屋さんのバイトのない日、そして翌朝のバイトもない日に、たまぁにご来店。


「都合のいいオンナっているでしょ?自分が都合よく使われてるとアタマくるよね。」

「都合よく使われた?」

「どうやら😠」


まだそこそこ若いうちは都合よく使われたなんて思わなかったE子さんも、40を過ぎた頃から都合よく使われているのではないかと思い始めたようだ。

面倒見が良すぎるのも仇となる。


E子さんは半年ほど前まで、自営業の彼氏と同棲していた。

ある日些細なことから彼氏が暴れだし、E子さんをボコボコにして、E子さんの荷物をベランダから路上に投げ捨てた。

その時の写真を見せてもらったが、目は潰れるほど腫れ上がり、顔はどす黒く変色してまるで別人。

ドラマの中だけじゃないんだな。。。

その時も診断書をもらうようにアドバイスしたのだが…

その一件以来、一応、別れたことになっている。

一応…というのは、結局彼氏の都合のいいように、別れてからも使われていたからだ。


数日前に彼氏から電話があり、孫ができたので顔を見に行きたい、ついてはワンコの世話を頼む、と言われた。

たまに仕事で遠くに行く時のワンコの世話や、職人が来た時などは炊事洗濯も頼まれる。

タダで。

その度にE子さんは仕事の合間に彼氏の部屋に行って用を済ます。


何度かカギを返すと言ったそうだが、彼氏にしてみれば無料で家事を賄えるので、押し付けられていたようだ。


「部屋、きったねぇのよ。で、まず洗濯機回して掃除機かけたわけ。洗濯終わって干してたら、姐さん、こんなものもありやした。」と携帯を見せてくれた。



「ひ孫の顔を見に、田舎のお母さんでも来た?」

「だよね?私でさえ着ないよ、こんな下着。たとえ彼氏がいなくてもさ。」

「ちょい待ち、50代の私でさえ着ないぞ。たとえご無沙汰だとしても。」

「ヤツの婆ちゃんじゃないんだよ。」


洗濯機の中の下着に不審を抱き、掃除中に気になったものを改めて見て回った。

洗面所にあった歯ブラシ…彼氏の物と色違い、ピンクとブルー。。。

キッチンの水切りカゴに並んで置いてあったペアグラス…以前E子さんがそのグラスを使おうとしたら「それ、使うな!」と言われた。。。

そしてゴミ箱にあった宅急便の送り状と、彼氏の故郷から羽田までの半券。


「まだ一緒にいた頃から、よく故郷に帰るようになったんだよ。最初は同窓会に帰って、それからちょくちょく帰るようになったの。たぶん同級生じゃないかなぁ。」

「相手はダンナ持ちかしら?」

「それはないと思う。ヤツは不倫する奴は最低だった言ってたから。」


交際中の浮気と婚姻中の浮気は違うのね。。。


普通なら、彼氏がE子さんに他の女性の存在を知らしめるための工作。

ところが、E子さんは前々から「誰かいい人ができたなら、私はお役ご免して」と言っていたそうだ。

それに彼氏の性格的にもそういった工作は考えられない。

考えられることといえば、相手の女性の方が他の女性(E子さん)の存在を感知して置き土産を置いて行った…。

2人で一度部屋を出た後に、忘れ物をしたと言って部屋に戻り、小細工した…。


E子さんはもうとっくに彼氏には未練はない。

当然のことだが、要はもう彼氏にあてにされるのはゴメンだというだけ。


「アイツさあ、カードを持てないのよ。請負先から入金するのって仕事終わってからでしょ?資材を買う金がないわけよ。それにガソリン代。私のカード使ってんの。あと、競馬ね。競馬は私の口座でやってる。」


都合のいいオンナってモノは自分が都合のいいオンナだってことに、なかなか気づかないものなのです。

重宝がられてると思ってる。

それで大切にされるならまだしも、ボコボコにされたらたまらない。

一緒にいる頃はおサイフは一緒でも、別れたならおサイフはきちんと分けなきゃ。

っていうか、オトコならオンナのサイフで遊ぶなよ‼️


「まずはカードを返してもらいたい。カード会社に電話して聞いたの、今月分の明細。やっぱり地元から羽田の航空券、ヤツの息子んとこまでの航空券2人分、ホテル代、カード決済。もっと遡れば、まだ一緒に暮らしてた頃に浅草のホテルにツインってのもあった。あれもこのオンナかもね。だいたい足立区に住んでてわざわざ浅草に泊まる?」


どうやら今回の旅行代だけではなく、前からデート代もカードを使われていたようだ。

こうなってくると、返してもらえればそれでいいというだけでは腹の虫がおさまらなくなる。


「E子さん、FACEBOOKやってる?名前と出身地わかってるんだから、FACEBOOKで検索してみたら?」


スマホを出し、サッサッサーと検索。


彼氏の方は友達を公開してないので、女性の方の名前で検索してみた。

同姓同名がやたらめったらいる。

かたっぱしからプロフィールを見ていくと…


「いたいた、これだっ。」

たくさんいる友達の欄に彼氏の名前があった。

友達の欄にはE子さんもよく知る彼氏の同級生の名前も何人か。

それだけではなかった。

「◯◯一族にやられた…」

E子さんが面倒をみてあげた彼氏の娘や今回子供が生まれた息子まで、この女性と友達登録していた。


「私だけ蚊帳の外か…」


E子さんは彼氏になんの未練もない。

もうあてにされるのはまっぴらゴメン。

まずは彼氏にカードを返してくれるように、人を介して告げることにした。

直接E子さんが言ったのではまたボコボコにされるだけだから、人を介すようにと説得した。


翌朝もワンコの世話に彼氏の部屋に行ったE子さん、前日の洗濯物をたたむついでに彼女の下着に小細工。

ブラのホックを全て取り、細〜いしつけ糸で弱く仮止め…身につけてすぐにブラは崩壊することでしょう。

ピンクの歯ブラシはトイレ掃除に使い、また洗面所に戻した。

そしてワンコのウンチをたたんだ洗濯物の周りに2〜3粒転がしてきたそうだ。


E子さんは相手の女性にメッセージを送るつもりだという。

「今回の旅費には私のカードが使われています。◯◯さんにはカードの返却及び使った金額の支払いをお願いしていますがまだ返してもらっていません。つきましては、あなたの分の旅費だけでも返済していただけませんか。そして、◯◯さんに1日も早くカードを返却してくれるよう口添えしていただけませんか。」

それでもダメなら、FACEBOOKで友達登録している人達にかたっぱしから「口添えして」とメッセージを送るつもりだそうだ。


「姐さんは、どこまで言ったら法律に引っかかるかとか、詳しいからサ😄」とE子さんは言う。

男の人に振り回されてばかりのE子さんも残念だけど、ダメ男に引っかかった同級生のオバサンも残念😩

あ、でも彼氏の部屋にお泊まりするのにあんな婆さん下着つけてくるようなオンナだから、ダメ男といい勝負かな。

残念なオンナたち2⃣

30代初めのOLさん、かりにK子さん。

サラッサラのセミロングヘア、できる女の雰囲気があるが、冷たさは全くなく上品。

お父様はどこかの重役さんらしい。

いつも1人でいらっしゃって、ロックで2〜3杯飲んで、シャキッとしたまま終電前にお帰りになる。


そんなK子さんが珍しく下地を作ってからご来店。

仕事仲間との飲み会の後かな?

飲み会の後、帰宅する前に自分だけの隠れ家でクールダウンはよくあることだ。


ところがクールダウンではなかった。

「ママ、聞いてください。先週すごくイヤな電話があったんです!」


その電話は、先週夜中、眠っているK子さんの携帯にかかってきたそうだ。

実はK子さんには7歳年下のボーイフレンドがいる。

なぜわざわざ「ボーイフレンド」などという古めかしい単語を使うかというと、ほんとにただの遊び友達であり、男のコだから。

これが少しでも進展している関係ならば、気持ちの重みはさておきわかりやすいようにカレシと言いますよ。


「実は例の年下の子なんだけど、前にも言ったように、私は彼を恋人とか…とにかく特別な人だとは思ってないのよ。」

「うん、うん。彼がなんか言ってきたの?彼は結婚を考えてるとか?」

「ううん、彼も私と同じだと思う。」

「あ、アタマじゃわかっててもプライベートが気になりだしたとか?」

「ぜーんぜん。2人とも。」

「だから上手くいってたのよね?で、なに、電話って。」


眠っていたK子さんの携帯にボーイフレンドの携帯からの着信。

メールでもLINEでもなく電話なんて珍しいなと電話に出た。

ボーイフレンドの番号なのに相手は女性の声。

「もしもし?あなた、👱とどういう関係?」

こっちは気持ち良く寝ていたところを叩き起こされたのに、いきなりそんなことを聞かれても困る。

「どんな関係って、お友だちですけど?」

《ははぁん、この人、ヤツの彼女だな》とピーンときたので、優しいK子さんは「自分はただの友人で、あなたが心配するような間柄ではありませんよ。以前の会社の同僚で、気が合うだけの仲間です。」と。

しばらくは彼女の気を鎮めようと、深夜の無礼な電話にもかかわらず、懇切丁寧な応対を続けたそうだ。


…お疲れ様😅


ところがその彼女、ますますヒートアップするのみ。

いい加減、K子さんもキレ始める。

「ところで、この番号、彼の携帯よね?」

「そうですけど?私は彼の恋人だから、彼の電話を使う権利があるんです‼︎」


「はぁ?今の若いカップルって、そうなんですか?」

「違いますよ!私だってそんなことはしません。この女がオカシイんです。」

「彼氏の携帯を見たわけね?サイテー。」

子供達の携帯やメモ帳を見たこともない私には理解できない。

特に今の携帯は機能がいっぱいあって、スケジュール表でもあれば日記でもあり手紙の機能もある。

プライバシーの塊だ。

それを盗み見なければならないほど彼氏を信頼できないのなら、そんな男とは付き合わなければいいのに、とオバサンは思う。


「で、私のところに電話してきたのは?」

「履歴にあなたの番号があったからです!」

強い言葉尻から、私にはK子さんを責める権利があると言わんばかり。

さすがのK子さんも💣💥

「あんたねぇ、彼の履歴にあった番号、片っぱしから電話するわけ?」

すると彼女、シラーッとこう言った。

「そうです。だって私、彼の恋人ですから。彼のマンションの家賃だって、私が払っているんです。私の家でもあるんです。あなた、家に入ったことあるでしょ?家主は私なんだから、今度入ったら警察に訴えますよ!」

確かに彼のマンションには前の会社の仲間数人と一緒に行ったことがある。

でも、ダメだ、この女、アタマオカシイ。

「今、何時かわかってる?私は明日も仕事なの。眠らなきゃいけないの。眠くて仕方ないから切りますよ!」と電話を切った。


「でもさぁ、履歴にあった番号に片っぱしから電話してたら、そのうち彼は大恥かくわね。だって仕事の相手だっているわけでしょ?」

「おかしなオンナよね、ママ。」

「家賃払ってるって、どういうこと?ヒモ?」

K子さんが彼から聞いたところによると、、、


ある日、彼は彼女から告白された。

「2番目の彼女でいいから、付き合って💕」

2番目の彼女でいいなら、とお付き合い開始。

彼女の親は、彼らのお付き合いにあまりいい顔をしていないのにもかかわらず、彼にどこどこに引っ越せのどうのこうのと口出しはする。

彼は彼女の親の言う通りに、彼女の家から一駅のところに引っ越した。

そこは家賃もそうとうする賃貸マンションだったが、当時の彼の収入ならなんとかやりくりできた。

それから少し経って、彼は転職し給料が減って家賃は払えなくなり、彼女が家賃を払うようになった。

「私の家でもある」と主張する彼女は、そのマンションには月に1度来るか来ないかで、掃除もしたことがない。

来てまずすることは、ゴミ箱あさり。

そして、遅くても22時には帰って行くそうだ。


まず第一に、その話は彼が言っていることだから本当のことかどうかわからない。

K子さん自身が彼にベタ惚れではないのだから嘘をつく必要もないのだが、彼が「K子は俺に惚れている」と自惚れていないとも限らない。

「俺はモテモテで二股をかけている」と自信満々なのかもしれない。

もしそうなら、彼は両方の女に嘘をつくことだろう。

それぞれの女に「相手の女はお前より劣る女性なのだよ」と思わせ、自分が優位に立っていると思わせるだろう。

ほんの少しの時間稼ぎに過ぎないのに…

しかしK子さんにとっての彼は単なる遊び友達だから、これは失敗。

K子さんに「彼は遊び友達としては難がある」と敬遠されるだけだ。

そんなアブナイ彼女がいる男を、誰が遊び友達とするか?

どんなに彼が「充電できる相手」「一緒にいて楽しい相手」だったとしても、後々のことを考えるとわざわざ付き合う価値はない。


第二に、「2番目の彼女でいいから…」と女性に言われて、ホイホイ2番目の彼女を作る?

そんなに体力あるなら、別なところに使え‼️

なんとチャライ男‼️

50を過ぎ還暦間近になってきた私は当事者の親の目線になっているからかもしれないが、チャラすぎる‼️

「2番目の彼女でいい」などと自分の娘が言おうものなら再教育の必要ありとみなすだろうし、女の子にそう言われたと息子が言ったら「深入りするな」と釘をさすだろう。

言い出す女も女だが、それに乗じる男も男だ。

妻帯者の「妻とは冷え切った間」同様、女子の「2番目でいい」なんて言葉は絶対信じちゃダメ。

1番目を蹴落として、自分が1番目になろうとする子の言いそうな言葉だ。

最初は「あなたの色に染まりたい」風なしおらしいことを言っといて、ジリジリとダンナを自分の色に染めていく世の奥様方の策略と似てなくもない。

もし本当に2番目でいいと思っているとしたら事情があるから…例えば実はダンナ持ちとかね。


第三に、交際を反対されているのに、なぜ相手の親の指図通りにわざわざ引っ越す?

今まで住んでいたアパートなりマンションなりでいいんじゃないの?

引っ越す必要があったとして、自分の都合で決めればいいこと…職場に近いとか。

それも、「このマンション」と親に指定されたとか。。。

交際に反対なのに指図する親も、反対されているのに従う彼も、意味がわからない。

あまりに自主性がなさすぎる。

最初は2番目の彼女と思いつつ、次第に彼女に惹かれ結婚を考えるようになり、親に好かれようとした…としても、結果として彼女に家賃を払ってもらうことになるのだから。。。

2番目の彼女ということは、結局、アソビの女の子って意味でしょ?

わざわざ親に会うのもおかしな話だ。

親に会ったらそれは「結婚はまだ考えてなくても、真面目にお付き合いしてます」って意味じゃないの?

親に会ってしまったらがんじがらめになるだけじゃん。

チャライよチャライよ、チャラすぎる。


第四、仕事を変わって家賃が払えなくなったから、彼女に家賃を払ってもらっている…

ヒモでしかない。

ヒモ的な男は、女性を楽しませる才に長けている。

だから彼女も、2番目から1番目の座を得ようとした。

だからK子さんも一緒にいて充電できる相手だと思った。

ヒモは自分からは出費を抑える。

家賃は彼女から入り、K子さんとは誕生日でもない限り割り勘…赤字になることはない。

そのままの生活を続けられればよかったね。

彼女が履歴を片っぱしからチェックするとは思ってなかったのかしら?

なぜパスワードでロックしなかった?

ヒモとしてもまだまだ甘いとしか言いようがない。


この男に難癖をつけようと思えばいくらでもつけられる。

真面目にお付き合いする相手なら難のある相手は避けるけど、K子さんは元々真面目にお付き合いしようなんて思ってもいなかった。

ただの遊び友達。

遊び友達にそこまで用心して「可/不可」をつける人などいない。


「アブナイ彼女がいるってことに私の方が先に気づいたんなら、彼をブロックすればいいだけの話なんだけど…」

K子さんは、彼女からの電話で自ら身を引いたと思われるのが癪にさわるのだろう。

わかるわかる😏


男と女とは不思議なもので、女と女はもっと不思議。

例えば、自分の好きな男の人に彼女がいたとする。

最初はそれでもいい、自分は友達でいいと思う。

そのうち、自分の中にも「女性」を見て欲しいと思うようになる。

2番目の彼女でいいと思うようになる。

友達から彼女へ。

たとえ彼の気持ちが全部自分に傾いたとしても、前の1番目の彼女が気になって仕方がない。

問題なのは彼の気持ちなのに、いつしか人生の目的は「彼女の泣き顔を見ること」に変わっていく。

あの人に泣いてもらわなければ、今までの自分の苦労は報われない、と言わんばかり。


K子さんは今まで通りに彼との付き合いを続けるつもりだという。

彼がどんな男性であれ仕事のストレスを和らげてくれるタイプの人であることに変わりはないし、彼女が騒ぐのは彼と彼女の問題であってK子さんの問題ではない。

「私と会うかどうかはあなたが決めればいいこと」

だからと言って、K子さんは彼女が払っていた家賃を肩代わりするつもりもないし、彼と真面目にお付き合いするつもりもない。

飲み食いする仲間でしかない。


突然電話をかけてきた彼女、お金持ちなのだろうが、残念なオンナ。

残念なオンナたち1⃣

残念なオンナたちの話を3連発で。

前もってお断りしておくが、3人ともかなり前に来ていた方々で今は来ていない…今も来ていたら書けない。。。


20代後半〜30代前半、OLさん。

いつも30代の彼氏くんと2人でご来店。

彼女さんをA子さん、彼氏くんはB君とする。

2人ともあまり売り上げにはならないが、スーツ姿も清々しく飲み方も行儀がいいので、私はいいお客様だなと思っていた。

ほら、ウチはBAR🍸だから、スーツ姿のカップルが静かに飲んでると絵になるでしょ?


彼らが来店するようになってしばらくしてから、ある日、A子さんが1人でやって来た。

「1人なんて珍しいね、B君は後で来るの?」

「今日は1人なんです。」

小雨がパラつく夜で、お客様はA子さんだけ。

A子さんと私でガールズトーク👩👵


小一時間ほど経った頃

「ママ、前来た時、タロットやってましたよね?」

時々、お客様からリクエストがあった時タロット占いをしていた。

「あの時のお客さん、当たったって言ってましたよね?ママの占いって当たるんでしょ?」

ほんとに当たっているのかどうかわからない。

その場限りのたいして重要でもない問題で、お愛想で「当たった当たったぁ〜」って騒ぐ人もいるはず。

ほんとに当たったかどうかは本人しかわからない。


「あれね、いつもはやらないの。暇な時でなきゃできない。」

「今、できますよね?占って欲しいんだけど…」


1人で来たのには訳があったようだ。

他にお客様がいなかったので、タロットをすることになった。

もちろん、これで収入を得ていたわけではないので無料。


「じゃあ、これから私と一緒にカードを混ぜるんだけど、シャッフルはしないでね。心の中で問題を念じながら、テーブルの上で滑らすように混ぜて。あと、具体的には言わなくていいから、何を占いたいのかだけ教えて。」

私はいつも漠然としたことしか聞かない。

例えば、仕事のこと、子供のこと、恋愛とか。

A子さんの抱えている問題は、結婚だった。


カードを所定の位置に置いていく。

どの位置にどのカードが出たのかは忘れてしまったけど、結果は良くないものだった。


身動きができず、孤独で、裏切りのカードも出ていた。


「A子さんは本気なのね?」

「そのつもりです。真面目にお付き合いしてるつもり。」

「でも信じられない…何かウソがあった?」

「ウソかどうかわからない、でもウソだと思います。」

「ウソだね。」

「この人との結婚は難しいと思うよ。」


その後、A子さんが話し出した。


B君とは付き合って2年になる。

彼は妻帯者、3歳の子供もいる。

それは最初からわかっていた。

去年あたりから、妻とは冷め切っていて別れるつもりだから交際は続けたいと言い出したという。

別れるつもりとは言っても一向に離婚の話が出ているようには思えず、お休みの日にB君の家の近くまで行ってみたそうだ。


まぁ、妻とは別れるという言葉を信じてしまったアソビのお相手の定番行動だね。


さて、そこでA子さんが見てしまったものは…?

これもお約束。

公園で楽しそうに遊ぶ家族。


だいたい殿方の「妻とは冷め切っている」は滅多に真実ではない。

冷め切っていても即離婚にいたる夫婦も少ない。

だめよ、定番のこんな言葉を信じちゃ。


A子さんはB君に公園で見たことを話した。

ほんとに自分と結婚する気はあるのかどうかも。


そこで、B君の言い草。


「あと2年待ってくれ。」


「ママ、2年待つべきかしら?」


私からのアドバイスは…

待つかどうかは本人次第。

ただし、これだけは言っておく。


妻とは冷め切っている、なんてのは浮気をしたい男の決まり文句。

冷め切っている、彼女は俺が浮気をしようが何しようが無関心、、、まぁ言い方はいろいろある。

アソビに使えるお金は少ないけど、でも遊びたいというタイプが使う定番。

これは口説いている内に入らない。


あと2年待ってくれ?

あと2年で何が変わるの?

今3歳の子が5歳になって、ますますお父さんお父さんと慕ってくる。

余計に別れづらくなるだけじゃない。

あと2年経ったら、今度は学校に入るまでって言いだすよ。

そのうち2人目も生まれるよ。

B君が2年と言ったのは子供のためだそうだからね。


「これはタロットが教えてくれたんじゃなくて私の考えだけど、彼は一日延ばしにして、あなたの方から別れを切り出すのを待ってるんじゃないのかな。彼はあなたを嫌いになった訳じゃない。最初から本気じゃなかっただけ。」


これって、嫌いになったよりも辛いことかもね。

だって、最初の頃のラブラブ💑、彼女だけの一人相撲だったってことだもの。


帰り際のA子さん、すごくいい顔していた。

その後、A子さんとB君の間でどんなことがあったかは知らない。


でも、男性諸氏、気をつけてね。

お金をかけずに遊べれば、それはそれでお財布には楽でしょう。

でもね、タダより高いものはありませんよ。

もしA子さんがイジワル女だったら、家に乗り込むかもしれない。

子供の幼稚園父兄に片っぱしからことのあらましを吹いて回るかもしれない。

それに、あなたは気づいてないだけで、実は、スッポンポンで高いびきで寝ているところをパシャッと撮られていたかもしれないよ📷

A子さんとB君は同じ会社。

その写真を社内メールで回された日にゃ、恥ずかしくて会社に行けなくなる。