じいちゃんとワンコと…日々の生活

子供達が独立して、ワンコとの気楽な生活になるはずだった。母が亡くなって、末っ子なのにじいちゃんをひきとることになり、まだまだ忙しい日々が続きます。

施設探し2⃣

1月下旬から3月いっぱい、ほとんど毎週のように施設巡り。


私の自宅は東京の足立区ギリギリの埼玉県。

家から出て次の信号がもう東京都だ。

だから、じいちゃんが来たばかりの頃は埼玉県のデイサービスに行っていたけど、去年からは「遠い」という理由で足立区のデイサービスに行くようになった。

足立区の某デイサービスの方が埼玉県所属のデイサービスより近いのだ。


その教訓から、施設探しも埼玉県に限定せず、距離的に近いところから攻めた。

病院常駐の相談員さんに施設のパンフ的な資料を揃えてもらった。

それまでお世話になっていた埼玉県のケアマネージャーさんにも協力してもらった。

一体何軒、姉と見て回ったことだろう。

行く時はどんなところかと期待してワクワクすることもあった。

帰りは「ここならじいちゃん喜ぶね」とお金の問題を話し合いながらの時もあれば、「なに⁈あそこ!」と憤慨しながらの時もあれば、「いくらなんでもあればちょっと…」と苦笑いしながらなんて時もあった。


自宅から1番近い施設は自転車で10分足らずのところだった。

雨さえ降らなければ毎日でも行ってあげられる。

建ってまだ1年くらいでとても綺麗。

医師の常駐もある。

緊急時の搬送先は私も行ったことのある病院。

入居期間は3カ月。

結局、ここは入居待ちが多くて順番を待っている間に今の施設が決まった。


ここが順番待ちだというので、同時進行で他の話しも進めることにし、施設巡り続行。


ある施設では、いまだに納得がいかないことがあった。

そこもわりと綺麗なところで、設備もすごかった。

空き部屋もあるので、本人との面談後、早ければ翌週からでもOKと言われた。

ところが面談の結果、施設からお断りの連絡がきた。

お宅に断られても自宅で介護を続けるのは無理なので、良ければ理由を聞かせて欲しいと尋ねてみた。


オドロキ😨


立ち上がるからダメ。


まず最初に、今回断られても次のチャンスがあるかどうか聞いてみた。

「今回は立ち上がった時にふらついてケガをされたら困るのでお断りすることになりましたが、将来的にずっとダメというわけではありません。」

…ふーん、そうかぃ、おたくの考えてること、わかったぞ。

ではここからジリジリといきますか。


「あのぉ、本来、お宅はリハビリを目的とした施設ですよね?」

…ずっといていい老人ホーム的な施設ではなく、リハビリして自宅に戻ることを目的とした所なんです。

実際は、ほとんどの入居者が延長手続きをするんですけどね。

ウチも。

「はい、そうです。」

「じゃ、立ち上がるからダメってどういうことですか?」

「立ち上がった時にふらついてケガをされたら…」

…引っかかったぞ、引っかかったぞ。

「父は80超えてます。もうすぐ90です。他の入居者さんもお年寄りですよね。」

「みなさんそうです。」

…相手は私の誘導に引っかかった。

「そんな年寄り、できなくなったことがふらつきもなしにホイホイできるようになりますか?」

「いや、ムリですね。ケガをして歩けなくなったというのとは違いますから。」

「ということは、父の場合はもっと進行して寝たきりになったらOKということですか?」

「まぁ、はっきり言ってそういうことです。」

「自宅に戻れるようにリハビリする施設よねぇ?」

「あっ…。。。。」


とんだ施設があったものだ。

今はふらつくけどふらつかなくなるように(まぁムリだろうけど)頑張りましょうね、なんて気持ちはないらしい。

もっと進行したら預かりますよって、なんなのよ‼️


1番手のかかる「1人では動けないはずなのに時として動いてしまう人」は拒否だなんて。

認知の老人が迷子になったり線路に立ち入ってしまったり…

介護している家族だってお風呂にも入るしトイレにも行く。

そういう時にスイッチが入って外に出てしまうこともある。

仏壇に御線香を上げようとして火事を起こしてしまうこともある。

動ける人の方が大変なのに。

パンフには、家族だって生活がある、そのために私達がサポートをなんてしらじらしいうたい文句を掲げているのに。


ちなみに、入院中じいちゃんが立ち上がったのは1回だけ。

その時すぐに病院から電話で報告があった。

翌日、婦長さんに詳しい話を聞いた。


じいちゃんより重症の認知のおばあさんがいて、その人はじいちゃんを亡くなったダンナさんだと思っている。

そのおばあさんが何かとじいちゃんの世話を焼こうとするらしい。

その日も車椅子でじいちゃんにすり寄って来た。

じいちゃんは認知がはいったとはいえ、まだ家族とその他の人との区別はつく。

じいちゃんはそのおばあさんがウザくて仕方なかったようだ。

逃げようとして立ち上がり、そのままズデンと尻もちをついた。


これが事の真相。

だから、立ち上がったとは言ってもどこかへ行きたいという衝動があって立ち上がったのでも、むやみやたらと立とうとするわけでもない。


もちろん、断られた施設の人とのやりとりの時もそのことを話した。

「立ち上がるとおっしゃいましたが、父が立ち上がった時のこと、事情を聞きましたか?」

「あ、いえ、そこまでは…。」

立ち上がった理由も調べずに「立ち上がった」という事実だけで拒否したのだ。


こんなところに親を預けなくてよかった。

もしここの施設でなんらかの事故があっても、いい加減な調査しかしないんでしょうね。


後になって、介護系の仕事をしている息子にこの話をした。

「なんていう施設?」

「◯◯◯」

「ああ、あそこか。設備は良かったでしょ?」

「知ってるの?」

「大手だよ。お金あるから設備は超一流のはず。」

「たしかに超一流だったけど、大手だって言ったって、自力でなんでもできる人か寝たきりの人だけなんだよ?」

「大手が故に事故があると困るんだよ。だから手のかかる人は断るんだよ。行かなくて良かったね。」


そういうところもあるんですよ。

みなさん、親御さんを施設にお願いするときは知名度とか設備で決めるのは危ないですよ。

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